体のニオイの悩みに応える体臭ブログ

わきが多汗症治療に長年携わってきた五味クリニック院長五味常明が、体臭対策、体臭予防をご紹介します。

中年のくさいニオイは「体からのメッセージ」

「スメル・ハラスメント」という言葉をご存じだろうか? 直訳どおり「ニオイによる嫌がらせ」なのだが、セクハラ・パワハラと根本的に異なるのが当人には迷惑をかけている自覚がない、ということ。我が身を振り返りつつ、汗ばむ季節の到来に対処していこう

◆中年のくさいニオイは体からのメッセージ

 体からのニオイはどうすべきか? ニオイの悩みに心と体からアプローチする五味クリニック院長・五味常明氏は「40代になってからの体臭は健康が損なわれているサインだと考えて、根本的に対処すべき」と指摘する。

 例えば、気になるミドル脂臭。そのニオイ物質・ジアセチルは、汗に含まれる乳酸の代謝・分解によって発生するわけだが……。

「エネルギー代謝の回路=TCA回路(クエン酸回路)が酸素不足で不完全燃焼となると、ジアセチルのもととなる乳酸が作られます。また、疲労の蓄積や飲みすぎで肝機能が低下すると、アンモニアを尿素に変えるオルニチン回路が働かず、分解できなかったアンモニアが血液中にたまり、くさい汗となって出てくる。ミドル脂臭対策は、まずこの2つの回路の正常化からです」

 まずは回路への“材料”の補給だ。クエン酸回路には酢や柑橘類、梅干しを、オルニチン回路はシジミが最適。入浴などで血行をよくし、エアコンの効いた室内ばかりにいないで、適度な運動をして“いい汗”をかける体をつくる。

「体からのニオイは体の目撃者。その証言にはちゃんと耳を傾けるべき。とはいえ、生活臭と呼ばれる誰もが個性としてもっているニオイまで無臭化してはいけません。ニオイは個性です。体のくささをことさら否定するのは、その人の個性の否定と同じなんです」

【五味常明氏】

五味クリニック院長。多臭多汗研究所所長。患者の心のケアと外科的手法の両面から治療。『デオドラント事典―気になる“カヲリ”を予防しよう!!』『体臭恐怖 体のニオイで人を恐れるあなたに』など、著書多数

<脱・くさい男!のための10の方法>

●室内換気はマメに行う

●洗えるものはこまめに洗濯

●太陽の紫外線除菌を有効活用

●室内干しは濡れた状態で、消臭剤をかける

●酢や柑橘類、梅干し、シジミを食べる

●シャワーよりも入浴

●適度な運動をして“いい汗”をかける体をつくる

●疲れ、ストレスをためない

●効果を確認し、自分に合ったデオドラント剤を使う

●ニオイを気にしすぎない



体臭についての相談(回答内容別)
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さまざまな体臭の原因と予防 口臭 

 顧客と顔が対面するような接客業の人では、口臭を気にして話ができなくなる人も。
 口臭の原因は、歯周病などの口腔内の病気以外では、ほとんどが唾液の減少です。

 唾液は雑菌の繁殖を抑え、ニオイそのものを消す天然の消臭剤です。人前で緊張しやすい人は唾液が減少するので口臭が強くなり、そのニオイを気にして無口になると、さらに唾液が減少するという悪循環になります。

 口臭に関しては、沈黙は「金」ではなく「禁」です。

 接客時に緊張しやすい人は、仕事の前に積極的に唾液を出す「口の体操」がおすすめです。口の中で舌を左右に動かし、頬の筋肉を動かすだけでも唾液は出ます。


季刊「ろうさい」 2013年春号VOL.17


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| 口臭

さまざまな体臭の原因と予防 疲労臭

 ストレス臭と同様に、働く労働者の誰にでも出る可能性のあるのが「疲労臭」と言われるアンモニアのニオイです。
 通常、皮膚上で雑菌がつくるニオイは制汗剤で消臭されますが、疲労臭は直接汗として体の中から出るため消臭剤で抑えることはできません。

 毎日、食事から摂取されるタンパク質は体の構成物質となり、最終的にはアミノ酸から脱アミノ化されて、アンモニアが生成されます。
 激しい筋肉運動や疲労時、さらにストレスが蓄積したときは、このアンモニア濃度が高くなります。
 アンモニアは毒性が強いので肝臓のオルニチン回路によって毒性の少ない尿素に合成され肝臓から尿として排泄され、通常は汗には出てきません。
 ところが過度の疲労やストレスでアンモニアの血中濃度が高くなったり、疲労物質の乳酸が増加すると、オルニチン回路の代謝が悪くなり、血中のアンモニア濃度が過度に高まり、汗として出てきます。
 仕事で疲れやすい人、仕事の後に飲酒の習慣のある人、メタボで脂肪肝の傾向のある人は肝臓の機能が落ちて、さほど激しい筋肉労働をしなくても疲労臭が出やすくなります。

 また、さほど体を動かさないデスクワークのような仕事でも、エアコンに依存して汗をかかない生活を続けると、汗腺の機能が低下して汗の中にアンモニアが出やすくなります。

 疲労臭の予防は、疲労を翌日まで残さず、その日の労働の疲れはその日に解消することです。一日の終わりには、ゆっくりと入浴して疲労物質の乳酸を排出させるとよいでしょう。

 ウォーキングなどの有酸素運動は汗腺の機能を高めて、メタボの予防ともなり有効です。
 食事では、乳酸を排出する作用のあるクエン酸(酢やかんきつ類)を摂取し、同時に肝臓のオルニチン回路を活性化する作用のあるオルニチンを含むシジミを摂取します。

 疲労や前日のアルコールが残っている場合には、シジミの味噌汁を飲んでから出勤するとよいでしょう。
 また、ストレスが蓄積すると肝臓のオルニチン回路の機能が低下して、疲労臭が出やすくなります。皮脂腺からの「ストレス臭」と汗からの「疲労臭」は、一緒になるとさらに強い体臭となりますので、疲労臭の予防としてもストレスをためないことが大切です。



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ストレス臭 体臭が知らせる健康状態 体臭の悩みと職場の人間関係

 近年、「体臭のために職場の人間関係がうまくいかない」と訴えて来院される患者さんが急激に増加しています。
「自分が部屋に入ると同僚が咳き込む」「電車に乗ると、隣の人が鼻をすする」など、人のしぐさや態度が気になり、仕事をやめたり、電車に乗れなくなり家に閉じこもる人もいます。

 正確な統計はありませんが、ここ数年当院に来院される患者数の増加から、職場ではかなりの人が体臭が原因のストレスで悩み、かなりの割合で体臭が休職や離職の原因となっていると考えられます。

 体臭の悩みがなぜ人間関係に影響するのでしょうか?

 人から「クサイ!」と言われることは、例えば、人から「太っている」とか「足が短い」など体の特徴を言われることと決定的な差があります。
 なぜなら「太っている」「足が短い」といったことは、人間の価値のごく一部であって、それを他人にどうこう言われようと本人が気にしなければ無視もでき、不快ならば「見なければいいでしょう」と開き直ることもできます。「足が短いのは運動には不利だけど、仕事で頑張って成績を上げよう」と他のことで努力する力にもなります。

 ところが、人からクサイ!と言われて「嫌なら嗅がなければいいでしょう」と啖呵を切って開き直れる人はまずいません。
 ニオイの性質上、体から出たニオイ分子は空気中を自由に飛んでいって勝手に他人の鼻に入りこんでしまいます。ニオイの元があるかぎり「臭いものに蓋」はできないのです。

 クサイと言われた人が、他人の不快感をなくそうとしたら、自分がその場から立ち去り、いなくなること以外に手立てはないのです。
 クサイと言われたとき、職場から「逃げたい」「消えたい」という気持ちになるのはそのためです。
 体臭の悩みは、自分の人格にかかわる悩みであり、自己否定感から人間関係に消極的になります。体臭で悩む労働者が離職や閉じこもりになりやすいのはそのためです。

 職場での「体臭の悩み」の問題は、人に言えず自分だけで悩んでしまうことです。職場に体臭の悩みのカウンセリングの体制が整っている企業はまずないでしょう。
 さらに、誰にも相談できずに一人で悩んでいると、本当はさほど強いニオイではなくとも、「ニオイで人に避けられている」「嫌われている」と他人との関係で、実際のニオイ以上に悩むことがあります。
 性格的にまじめな人ほど、「自分のニオイで職場の人に迷惑をかけている」と責任を感じて悩む傾向があります。
 そのような人は、自分のニオイを確実に自覚していることは少なく、「周囲の人が咳き込む」「鼻をおさえる」などの他人のささいな態度やしぐさから自分が臭っていると感じているのです。

 これらの動作は、普通ただの風邪や花粉症の時でも生ずる当たり前のことですが、自分の体臭と結びつけて悩んでいるのです。これは医学的には精神疾患で見られる一種の「関係妄想」で、私は「自己臭恐怖」と呼んでいます。

 妄想が強くなると人間関係を避けようとして「対人恐怖」の状態になりやすく、自分一人では解決することが難しくなります。
「対人恐怖」の状態になると、「うつ病」と同じように、正常な業務に支障をきたしますので、専門の精神科的なケアが必要になります。
 ここで、問題となることは、うつ病は周囲も気づきやすく本人も精神科的なケアを自分から受けようとしますが、「自己臭恐怖」の人は、どのような病院のどのような科を受診してよいかわからない点です。

 職場の雰囲気が悩みを打ち明けやすいかどうかも大切でしょう。 
 これからの企業の医療保険関係者は、このような「体臭恐怖」といった新しい心の病の理解もこれからは必要となるでしょう。

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ストレス臭 体臭が知らせる健康状態 病気のサインとしての体臭

体から出るニオイが「大切な個性」とばかり言っていられないこともあります。ニオイが病気のサインとなることもあるからです。
体から出てくるニオイは、体の中の目撃者であり、すべての食物の代謝の最終産物です。体臭や口臭が「いつもと違う変なニオイ? 」と感じたら、まず体の不調を疑ってみましょう。病気の結果できたニオイ成分は、いくら清潔にしても、口臭や汗のニオイや尿臭、便臭として出て、消すことはできません。
どのようなニオイがどのような病気と関連しているかを知っておくことは意味があるでしょう。ここで、ニオイのタイプ別に疑われる病気をあげてみます。

●甘酸っぱい古いバナナのニオイ
 甘酸っぱいようなニオイがするときは、糖尿病の疑いがあります。
 糖尿病では、インスリンの働きが悪くなり、貯蔵脂肪から脂肪酸が多量に分解され、この脂肪酸が増えすぎると、ケトン体という甘いニオイ物質が合成されます。口臭・体臭からだけでなく、尿も甘いニオイがすることがあります。
 同じような、ケトン体のニオイは、急激な食事制限でダイエットをしたときも生じます。食事からの炭水化物が少なくなると貯蔵脂肪からエネルギーを得ようとして、やはり血中脂肪酸が増えて、ケトン体が合成されるからです。
 今はやりの、「炭水化物だけ制限するダイエット」は、この「ダイエット臭」が出やすいので注意が必要です。ダイエット臭が出るということは、その人のダイエット法が間違っている警告と考えましょう。

●汗のニオイがツーンとする
 汗にアンモニアが増えると、ツーンとした汗臭が強くなります。
 通常アンモニアは、肝臓で解毒・無臭化され、尿素の形で腎臓から排出されますが、肝臓や腎臓の機能が低下すると、アンモニア臭が強くなります。
 お酒の飲みすぎで肝臓が疲れていたり、メタボの人で脂肪肝のある人、また、疲労やストレスが蓄積している人は、後述するような「疲労臭」と言われるアンモニアのニオイが強くなります。

●腐った卵のようなニオイ
 胃腸の病気では腐った卵のような独特のニオイがします。
 消化不良のため、食べ物が異常発酵し、血液に乗って肺に送られ呼気や口臭となって感じられることがあります。

●腐った肉のようなニオイ
 蓄膿症のような鼻の病気、扁桃腺炎のような喉の病気、肺などの呼吸器系の病気で出ることがあります。
 肺ガンでは、ガン細胞が特有のタンパク質を分泌し、細胞が壊死をすると、肉の腐ったニオイがすることがあります。
 今、特定のガンのニオイを識別できるように訓練されたガン探知犬の活躍が期待されています。
 また、最近、質量分析装置で、尿臭から肺ガンを識別する方法も開発されています。いずれ、ニオイによるガン検診が一般化されるかもしれません。

●魚の腐ったニオイ
 魚臭症候群(トリメチルアミン尿症)という先天的な代謝病では、食べ物が腸内で発酵してできたトリメチルアミンを代謝する酵素の活性が低く、トリメチルアミンが体内で増加して、魚の腐ったニオイがすることがあります。
 後天的に肝臓の機能が低下することでも、トリメチルアミンが増加し魚臭がすることもあります。


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ストレス臭 体臭が知らせる健康状態 ニオイを気にする現代人

日本では、過労死闘が社会的関心を集め、働き方の見直しが叫ばれて久しいところですが、現実には、仕事に強い不安、ストレスを感じている労働者が58%にも達しています。こうした事情を背景に、ストレス臭が話題となっています。本特集では、体臭の種類と原因・発生メカニズム、体臭から分かる体調異変、体臭の予防対策等を分かりやすく解説します。

ニオイを気にする現代人
 近年、社会が豊かになるにつれて、生活からニオイがどんどん消えています。
 台所からはおこげや糠みそのニオイがなくなり、焼肉店でも肉の焦げたニオイは少なくなりました。あの鼻をつくクレゾール臭のする病院は稀です。デオドラント時代の今、身の回りからニオイがどんどん消えていく感があります。
 それと、同時に、ニオイに敏感になる人も増えています。
 今、工場や飲食店から出るニオイが生活環境を損なうとして制定された悪臭防止法を厳格にする自治体が増加し、臭気判定士のような専門のニオイ判定員も職業として登場しています。
 環境のニオイだけでなく、体から出るニオイが気になる人も増加しています。社会の清潔志向がすすみ「ニオイ=不潔」のイメージが定着したからでしょう。
 ある消臭メーカーが、2011年に20〜39歳の働いている女性500人を対象に、職場におけるニオイ調査を行った結果、女性の8割が「ニオイは職場での評判を左右する」と答え、90%以上の人が「不快なニオイはビジネス上のマナー違反である」と回答しています。さらに、6割以上の女性が職場で男性社員のニオイを不快に感じたことがあり、「仕事をしていて不快に感じるニオイの種類」では70%以上が「汗のニオイ」、その後は「加齢臭(58%)」「腋のニオイ(40%)」「頭のニオイ(33%)」「足のニオイ(17%)」と続いています。
 今、職場では、身だしなみだけでなく、ニオイのエチケットにも気を配ることが求められるようです。エチケットにとどまらず、職場でのニオイは労働者の作業効率にかかわることがあります。 
 嗅覚は、聴覚や視覚などの感覚よりはるかに直接的に大脳とつながっていて、ニオイ分子の情報はすぐに情緒や感情、ホルモンなどを制御する大脳辺縁系の中枢に入り、快・不快の感情に影響します。
 良い香りを嗅ぐとリラックスし、悪臭を嗅ぐと気分が落ち込むのは日常よく経験することでしょう。特に悪臭は、無意識下にストレスとして蓄積し増幅します。このようなストレス下では、作業効率が落ちるだけでなく、労働者のメンタルヘルスの面でも問題となるでしょう。

個性としてのニオイ
 しかし、人間は生きている限り臭うものです。水を飲めば、汗もかき、排尿もします。食物を食べればオナラにもなり便ともなります。つまり、人間もすべての動物と同じように、身体からニオイを発する存在であり、体から出るニオイがつくる体臭は「生きている証」です。
 近頃話題になっている「加齢臭」などは歳を重ねれば誰にでも出る一種の加齢現象であり、歳をとって目が見えにくくなり、耳が聞こえにくくなるように、加齢臭も長い人生を生き抜いてきた証とも言えます。
 実際に、人の体臭は、厳密に分析すると他人と同じではなく、自分の体臭は自分だけがもっといる「個性」でもあります。
 動物では、ニオイで縄張りを主張したり、つがいの相手を見つけますが、人間でも体臭があるからこそ、「その人らしい」とも言えます。その人の体臭は、世界で一つしかないオンリーワンものなのです。そのような意味で、昨今のデオドラントブームで、体臭をすべて消そうとする「無臭志向」は、人間の個性を否定することにもなります。
 また、他人の体臭の快・不快は、人間関係の密度と関係しています。愛する人の体臭を嫌だと思う人はいないでしょう。「ニオイは嫌だが、恋人の腋のニオイは好きだ」という人は多いものです。今まで何も言われなかったのに、定年退職をして家でゴロゴロするようになってから「家内から加齢臭がすると言われた」と来院する中高年の男性もいます。
 奥様から「臭い」と言われるようになったら、夫婦関係が冷えていないか見直す必要もあるでしょう。
 娘さんから「お父さん臭い!」と言われるのも、幼児期の娘とのスキンシップの欠如が原因のこともあります。
 通常、子供は成長して自立していくと、自分の血と遠い相手を選ぶ本能があるため、体臭の近い父親を親離れの過程で避けるのは自然なことです。だが、人間は幼児期に慣れ親しんだニオイは、思春期になっても不快とは感じないものですが、幼児期に仕事が忙しく、父親不在の家庭では、子供が父親の体臭を嗅ぐ機会がないため、大人になって急に父親のニオイを嗅ぐと「お父さん臭い!」と嫌われるようです。娘から「お父さんの後のトイレは臭くて嫌!」と言われないためには、幼児期にスキンシップで自分のニオイを「刷り込む」ことが大切なのです。
 現代の若い人が異常にニオイに敏感になるのも、子供のときの「ニオイ体験」が少ないことも原因です。 
 昔は、学校から帰るとすぐランドセルを放り投げて、野原や原っぱで木登りやかくれんぼをして自然の草木のニオイを嗅いだものです。友達同士で取っ組み合いのけんかもして、お互いの汗のニオイも嗅いだものです。
 ところが今の子供は、冷房の効いた部屋でのテレビゲームなど体を動かさない一人遊びが多く、自然のニオイやお互いの汗のニオイを嗅ぐ機会が少なくなっています。生活の中から生活臭がなくなるとともに、子供たちの「ニオイ体験」がなくなってしまいました。
 今すぐ「キレる」情緒の安定しない子供が多いのは、原始感覚である嗅覚を働かせるニオイ体験が少なく、感情をつかさどる大脳辺縁系の発達が不十分なのかもしれません。
 ニオイがなくなるのと反比例するように、消臭剤や制汗剤が1000億市場と言われるほどに売れているのは、社会全体が個人主義になり、人間関係が希薄になったことの裏返しとも言えるでしょう。
 今、行き過ぎた無臭志向を反省し、もう一度「個性としての体臭」「人間関係の中の体臭」の大切さを考えてみる必要があるでしょう。

季刊「ろうさい」 2013年春号VOL.17


体臭についての相談(回答内容別)
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対策 くっさ〜いニオイは"食"で治す!

これは皮脂腺が乳化しやすくなるニオイの原料となる食品を控える、ということです。
そして"ニオイを取るもの"は、ビタミンC(野菜)、ビタミンE(アーモンドや鰻)、ポリフェノール(果物)、カテキン(緑茶)、イソフラボン(大豆)、セサミノール(ごま)などです。
身体が酸化すると加齢臭につながるので、対策として抗酸化物質をとるのが効果的。
最後に"腸内環境をよくするもの"。
疲労臭は腸の中でニオイ物質が生成されます。
腸内細菌には善玉菌(ビフィズス菌、乳酸菌)と悪玉菌(ウェルシュ菌、大腸菌、ブドウ球菌)がいます。
悪玉菌が増えると肉類を分解してアンモニア、インドール、スカトール、硫化水素などニオイのもとを作り出してしまい、それが体臭になるのです。
ということは、善玉菌を作るような食品をとればいいわけで、代表的なのが野菜などの食物繊維、乳酸菌、オリゴ糖。
また体内が弱アルカリ傾向にあると体臭は抑えられるので、梅干し、ワカメ、しいたけ、ホウレン草、大豆、小松菜などのアルカリ食品をとれば完璧です。
抗酸化食品、腸内環境を整える物質、そしてアルカリ食品というすべてを兼ね備えている消臭食材、それが海藻(ワカメ、もずく、めかぶなど)と大豆なんです。



週刊女性 2004年6月3日号
ニオイの第一人者・五味常明先生を直撃!
消臭界に激震 知らなきゃ損するニオイの正体と撃退法 より


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デリケートゾーン ニオうからといって洗いすぎはダメ!

意外にワキガより悩んでいる人が多いのがデリケートゾーンなんです。
俗にスソワキガと呼ばれているものは、陰部有毛部に存在するアポクリン腺から生じる体臭の一種で、基本的な発生メカニズムは腋下のワキガ臭と同じ。
しかも精神性発汗が起こりやすく、風通しが悪いからオリモノとこもったニオイが一緒になる。
膣の中はデーデルライン乳酸桿菌という常在菌がいることによって、弱酸性が保たれているんです。
菌の繁殖を菌で抑えているんですね。
だからあんまり洗いすぎると、菌が死んでしまいアルカリ性になるんです。
そうなると乳酸菌によって膣が守られない状態になるので感染症にかかりやすくなります。
でもスソワキガの方は本当にまれ! 陰部のニオイで効果的なのはヨーグルトパック。
お風呂の中でヨーグルトを膣の中に塗布すると効果的です。
ただ、病気のせいでニオうこともあるので、気になるようなら受診をしてください。



週刊女性 2004年6月3日号
ニオイの第一人者・五味常明先生を直撃!
消臭界に激震 知らなきゃ損するニオイの正体と撃退法 より


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口臭 健康であれば唾液は無臭なはず!

口臭を防ぐポイントは唾液を出すことにつきます。
口臭は大きく分けて、モーニングブレス(朝のニオイ)、ハンガーブレス(空腹時のニオイ)、ストレスブレス(緊張したときのニオイ)の3つあります。
口内の唾液が少なくなったとき、ニオイは初めて出るんです。
唾液って臭いものだと思われていますが、健康な唾液は無臭なんです。
もっというと、そういう唾液には消臭作用や、殺菌作用があるんです。
出先でワキのニオイが気になったら、唾液をちょっとワキの下に塗って4〜5分置いてみてください。
その後、ウエットティッシュなどでふきとると、すぐに収まりますよ。
唾液は消臭殺菌の特効薬なんです。
例えば、"パタカラ体操"といって、舌や唇、周辺の筋肉(口輪筋、表情筋)を鍛える発声を行うことで、口腔内の筋肉や嚥下の衰えを予防して、改善する口腔体操です。
「ぱ」「た」「か」「ら」と発声するだけなのでお手軽に始められます。
それでもニオうなら口腔内の病気を疑ったほうがいいですね。



週刊女性 2004年6月3日号
ニオイの第一人者・五味常明先生を直撃!
消臭界に激震 知らなきゃ損するニオイの正体と撃退法 より


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頭臭 加齢臭ではなく“ミドル脂臭”が原因だった!

 世間では中年の男性のニオイをなんでも加齢臭とひとくくりにしています。
でも、去年『マンダム』さんが"ミドル脂臭"という名前をつけて世に知らしめた、新たなニオイのもと"ジアセチル"が発見されました。
これが頭臭の原因だとようやく解明されたんです。
今まで頭のニオイは皮脂腺の働きが活発になり過剰に分泌された皮脂の脂肪酸が酸化して、不快なニオイ=加齢臭(ノネナール)だとほとんどの人は思っていました。
ところが頭のニオイのもととなるジアセチルが発見され、これは女性でも出るもので特に頭から発生しやすく、かなりイヤなニオイなんです。
汗のなかに乳酸という疲労物質が含まれているんですが、頭皮に常在するブドウ球菌が乳酸を分解することによりジアセチルが生成されてしまうのです。
対策は汗に疲労物質である乳酸を含ませなこと。
血行が悪かったり、酸素が足りなく疲れが蓄積すると、乳酸がたまってジアセチルが生成されやすくなるので疲れをためないことですね。



週刊女性 2004年6月3日号
ニオイの第一人者・五味常明先生を直撃!
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