体のニオイの悩みに応える体臭ブログ

わきが多汗症治療に長年携わってきた五味クリニック院長五味常明が、体臭対策、体臭予防をご紹介します。
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原因を知り本質的な対策を 専門家オススメのニオイ・マネジメント

ひとくちにニオイ・マネジメントといっても、汗による体臭、加齢臭、口臭などさまざまなタイプがあり、原因も異なります。それぞれに適した方法でニオイをマネジメントしましょう。



加齢臭
加齢臭は40代にさしかかる頃から発生する中年期特有の体臭のこと。朝起きて枕のニオイを嗅いだ時、若い頃には決して感じなかった、謎のニオイがしたなら加齢臭とみていいでしょう。加齢臭の原因は、皮脂腺から分泌されるノネナールというニオイ成分で、皮脂の量が増えると強まる傾向があります。食生活や運動不足、喫煙などで生活習慣が乱れると皮脂の量が増え、ノネナールが発生しやすくなります。不摂生を控え、健康的な生活を送ることが予防の第一歩です。



ミドル脂臭
ミドル脂臭は、最近の体臭研究で新たに発見されたニオイで、汗のニオイ、加齢臭に次ぐ第3の体臭として注目されています。その名の通り、30〜40代の比較的若い世代に発生しやすく、使い古した油のようなニオイを発します。原因は、汗の中に含まれる乳酸と、皮脂が酸化してできる中鎖脂肪酸の結合によってできるジアセチルというニオイ物質。加齢臭と同じく生活習慣が乱れたり、疲労がたまったりすると、発生しやすくなるので、オーバーワークや脂っこい食事は控えめに。



加齢臭、ミドル脂臭が気になる人のための消臭対策:肉を控えて野菜や薬味を多めに


加齢臭やミドル脂臭を引き起こす要因の一つは、偏った食生活。とくに脂っこい食事の摂りすぎは、ニオイ成分の元となる皮脂の量に影響するので、できるだけ控えましょう。代わりに野菜の摂取量を増やし、ワサビやショウガ、ネギ、大根おろしなどの薬味も積極的に摂ってください。薬味は一時的にニオイが残るものの、胃液の分泌を高める働きがあり、血液の浄化を助けてくれます。結果的にはニオイを抑えることができるのですから、食べない手はありません。


口臭
口臭のおもな原因は、「口内環境の悪化」と「内臓状態の悪化」の大きく2つに分かれます。前者は虫歯や歯周病、唾液の分泌量の低下などにより、口の中の細菌が増えるために起きます。歯のメンテナンスと合わせて、細菌が付着しやすい舌のケアを心がけましょう。後者は、胃腸や肝臓など内臓で起きているトラブルを知らせるサインです。一般的な口臭とは異なる、卵が腐ったようなニオイやカビ臭さを感じたら、消臭対策を探すよりも早めに病院を受診してください。



口臭が気になる人のための消臭対策:唾液の分泌機能を高める食習慣を


唾液は、口臭の元凶である口腔内の細菌と、細菌の温床である舌苔を洗い流してくれる洗浄剤です。唾液に含まれるリゾチームという酵素が細菌の細胞壁を溶かして破壊し、仮に口の中に細菌が生き残ったとしても、唾液と一緒に飲み込んでしまえば胃酸によって死滅します。唾液が豊富に分泌されれば、細菌の繁殖が抑えられ、口の中のべたつきや乾燥もなくなり、ひいては口臭の予防につながるというわけです。
唾液は咀嚼によって分泌が促されるので、食事をする時はよく噛んで食べるのが鉄則。とくに早食いの人は、よく噛まずに飲み込んでいる場合が多く、唾液の分泌機能が低下しているおそれがあります。口の中のものがなくなるまでよく噛むように心がけて、食事をゆっくりと楽しみましょう。また、普通のおしゃべりにも唾液腺を刺激する効果がありますから、ぜひ実践を。それから、ちゃんと歯を磨いて寝ていても、朝起きた時、口の中が乾いて不快な感じがすることがありますよね。睡眠中は唾液の分泌が抑制されるため、細菌が繁殖しやすいんです。朝の口臭を引きずらないために、朝食は抜かず、唾液による浄化を促しましょう。


汗のニオイ
汗には、臭わない「いい汗」と、ニオイを発する「悪い汗」の2種類があります。悪い汗は、運動不足やエアコンのきいた室内に居続けるなど、普段から汗をかかない生活をしていて、汗腺の働きが低下することによって出やすくなります。また、悪い汗をかいてしまった時は、乾いたハンカチではなく、濡れタオルで拭き取るほうがニオイ予防には効果的。ニオイの元になる雑菌の繁殖を抑えられ、時間が経っても臭いにくくなります。



汗のニオイが気になる人のための消臭対策:通気性、速乾性のある下着を選ぶ


長年の習慣で下着は綿のぴたっとしたものが好きだという方。せめて発汗の多い季節だけでも、通気性がよく、速乾性もある化学繊維の下着を身につけましょう。汗がすぐに蒸発するので、従来の綿素材に比べると汗のニオイを抑える効果が格段に高く、着心地もさらっとして爽快です。また、ワイシャツやスーツも通気性・速乾性に優れたものが多く出回っていますから、ニオイ対策の一環としてぜひ取り入れてみてください。


足のニオイ
足の裏は、身体の中でも特に多くの汗をかく場所です。加えて、摩擦などによって角質がはがれやすく、垢がたまりやすいため、それをエサとする細菌にとってはまさにパラダイス。独特の臭気を発する足のニオイは、細菌が足裏からしみ出た汗を分解してつくり出す脂肪酸と、皮脂腺から出る分泌物などが混ざった時の産物なのです。足の裏に制汗スプレーをふきかけ、よく乾かしてから靴下や靴を履くことにより、汗の量と細菌の活動を一挙に抑えられ、ニオイも軽減します。同じ靴ばかり履いていると、ニオイがしみつくので、最低3足は用意して、毎日違うものに履き替えるようにしましょう。



足のニオイが気になる人のための消臭対策:帰宅後は20円で足のニオイを消す


靴や靴下を脱いだあとの足のニオイは、足を洗えばひとまず収まりますが、ニオイ成分がしみ付いたままの靴を履いてしまったら元の木阿弥。靴のニオイを取り除くひと手間を怠ってはなりません。といっても、方法はとても簡単かつ経済的。まず10円玉を2枚用意し、よく洗って水分を拭き取ってから、1枚ずつ靴の中に入れておくだけです。10円玉は銅でできているため、銅が本来持っているイオンの酸化還元反応によって消臭効果が生まれ、ニオイを除去してくれます。10円玉を入れた靴を風通しのよい場所に置いておけば、汗による湿り気も臭気も一気に解消できますよ。


すべての体臭に効果的なイチオシ消臭対策:メカブ納豆で腸肝循環を正常化


最後に、すべての体臭予防に効果的な、オールマイティーのアイテム・メカブ納豆を。

血液の中には、アンモニア、脂肪酸、乳酸、尿素、ケトン体など、さまざまなニオイ成分が存在しており、それらが浄化されないまま身体の中をめぐると、やがて体臭となって体外に放出されます。通常であれば、腸と肝臓が血液中のニオイ成分を浄化してくれるのですが、機能が弱まっていると十分な働きをしません。

そこで、ぜひ食べていただきたいのがメカブ納豆。メカブには、フコイダンという物質が含まれ、アンモニアや硫化水素といったニオイ成分を包み込み、その多くを便として排出させる働きがあります。さらに、回腸の消化管粘膜を維持して、ニオイ成分が直接リンパ管内から全身にまわるのを妨げる機能も持ち合わせています。一方、納豆は食物繊維が豊富で、ニオイ成分を含んだ便の排出を強力にサポート。納豆菌の働きで腸内環境も整えられます。

摂取方法はいたって簡単です。メカブ、納豆を各50g(1パックずつ)混ぜ合わせて醤油などで調味して食べるだけ。1週間ほど続けると、血液内のニオイが正常なレベルまで下がるという実験結果も出ています。食事前に食べればお腹がふくれ、食事量を無理なく減らせるので、加齢臭やミドル脂臭の温床となりやすい肥満の解消にも効果的です。



自己臭恐怖や自己臭妄想という言葉、ご存知でしたか? 夏になり、汗をかくことが多くなれば誰しも一度は、周囲に漂う汗臭さから自分のニオイを気にしたことはあるでしょう。とても身近な出来事が、神経症の入り口になっていたりするものです。

考え方のヒントとして紹介した、ニオイの専門家・五味先生にうかがった「心と体のニオイ・マネジメント」。いずれも正しい理解があれば、難しいことではありません。特に後半でご紹介したニオイ対策は、当座しのぎのものではなく、身体本来の機能を高めたり、ニオイの発生源に働きかけたりしてニオイを元から断つ対策が並びます。

ニオイ対策と重く捉えるのではなく、心身を健康に整えることで、心身ともに自信に満ち溢れた自分になる。その時、自己臭恐怖や自己臭妄想を遠ざけることができるでしょう。





「自分のニオイを気にしすぎる「自己臭恐怖」が増加中? 専門家が説く心と体のニオイ・マネジメント」より
http://www.mensholos.com/feature/14536.html/4



体臭についての相談(回答内容別)
体臭についての相談(質問内容別)

自分のニオイ、どこまで気になると異常? 専門家の見解

ここまで読んで、「自分のニオイに対する意識は、もしかして「自己臭恐怖」に達しているのでは?」と不安に思う人もいるかもしれません。
そこでニオイに関するアンケート結果をもとに、どこからが危険領域なのかを専門家にジャッジしてもらいました。



■ Q1. あなたは自分のニオイが気になりますか?

「気になる」に「どちらかというと気になる」と答えた人を含めると、なんと7割以上の人がニオイを気にしています。



■ Q2. ニオイが気になるのはなぜですか?

クサいとおもわれたくない汗をかいた時に、自分でもニオイがわかるから
靴を脱ぐ時に臭うため
汗かきであるため
時たま、人に指摘されるから
多分大丈夫だと思うけど、気にはしている
周りに不快感を与えたくないから
自分では自分の体臭がわからないと聞くので、人に迷惑をかけていないか心配
他人の反応を見ているとそう感じる時があるから


ここで注目したいのは、「周りに不快感を与えたくないから」「他人の反応を見ているとそう感じる時があるから」「自分では自分の体臭がわからないと聞くので、人に迷惑をかけていないか心配」といった、周りを意識している人たちの答え。というのも、「自己臭恐怖」や「自己臭妄想」になる人の多くは、自分のニオイが他人の迷惑になっているのでは? と考えてしまう、やさしく生真面目な性格の持ち主なんです。



■ Q3. 過去、自分のニオイで他人に悪い印象を持たれたかもしれない、と不安になったことはありますか?


半数以上の人が「悪い印象を持たれたかもしれない」と答えています。「臭っているかも」という不安が先立ち、実際にそんなことはなくても、他人の何気ないしぐさや態度を自分のニオイと結びつけている可能性があります。



■ Q4. どんな場面で不安になりましたか?


嫁にクサいといわれたから職場で指摘された
異性が近くにいた時
ニンニクを食べたあと
満員電車で、匂いを気にしているような仕草をみたから
エレベーターの中で他人がいやな顔をした
電車で隣の人が急に席を立った
近くで喋った時、急に離れられた時不安になった


「嫁にクサいといわれたから」「職場で指摘された」などとストレートに言われたら誰だって不安になりますよね。また「異性が近くにいた時」「ニンニクを食べた時」などもエチケットの観点から不安に思うのは仕方ありません。注意が必要なのは、「満員電車でニオイを気にしているようなしぐさをみたから」「エレベーターの中で他人がいやな顔をした」「電車で隣の人が急に席を立った」といった、周りの人の反応を根拠に挙げている人たち。この視点には「自己臭妄想」の傾向があるといえます。

「自己臭恐怖」や「自己臭妄想」の診断基準は、実際に強い体臭・口臭を放っているか否かにかかわらず、「自分はニオイを発していて、それが他人に迷惑をかけている」と思い込んでいる場合です。過剰なまでに消臭対策を行い、家族や周りの人が「臭わないよ」「気にしすぎだよ」といくら言っても信じることができず、思い込みを増幅させてしまうのです。



ニオイが気になる人が行うべき、心と体の“ニオイマネジメント”


大なり小なり、日常生活においてなんらかの「体臭恐怖」を抱えている人は大勢いると思われます。たとえば緊張性多汗であることを気に病み、多量の汗のニオイが他人に不快感を与えるのでは、と怯えているならば、精神療法で発汗を抑える方法が有効です。また、ワキガについては、手術で治療することができます。このように実際に体臭の原因が存在する場合は、それぞれタイプ別に抜本的な改善を行うことが可能です。

対して「自己臭恐怖」や「自己臭妄想」は、実際にはないニオイで漫然と悩んでいる状態なので、重症化を食い止めるためには正しい現状把握が必要です。手はじめに家族など身近な人に悩みを打ち明け、体臭の有無について客観的な意見を求めることをオススメします。それでも納得いかない時は、皮膚科や歯科で医師の判断を仰ぐのも一つの手ですし、打ち明けるのが恥ずかしい場合は、着終わったシャツを送り、体臭の有無を調べてくれる民間企業のサービスもあります。また、現状把握と同時に、ニオイに対する心構えを改めましょう。「動物である以上、ニオイはなくならない」という前提で、ニオイに翻弄されるのではなくニオイをマネジメントする方向へシフトしてください。

ニオイをゼロにするのではなく、マネジメントする。それはいきすぎたデオドラントで自分の体臭=個性を消し去ってしまうのではなく、ましてや香水などで不自然に歪めることでもありません。素の自分を根本的にニオイの少ない人間へと改造するのです。基本的に「健康な体からはイヤなニオイはしない」という原則があります。ニオイ・マネジメントとはニオイ対策であると同時に健康を目指す方法でもあります。そしてこれを万全にすることで自信がつき、「自分の体臭で他人に迷惑をかけているのではないか」という不安を減らすことができます。

「ニオイを制するものは、人生を制する」

この言葉をしっかりと胸に刻んで、さっそくニオイ・マネジメントに取り組みましょう!




「自分のニオイを気にしすぎる「自己臭恐怖」が増加中? 専門家が説く心と体のニオイ・マネジメント」より
http://www.mensholos.com/feature/14536.html/3


体臭についての相談(回答内容別)
体臭についての相談(質問内容別)

自己臭恐怖とは 出現の背景とメカニズム

現代では浮いている人間の体臭
そもそも人間のニオイとはなんのために存在するのでしょう? 体臭は生きものである以上、本来あって当たり前。というより、生きていく上で、むしろなくてはならない大事なものなんです。動物は互いに固有の体臭を持ち、それを嗅ぎ分けて相手を識別したり、コミュニケーションをとったり、時には意中の相手を誘う “婚活”の武器としても利用しています。また、いつもと違う体臭は、体の異常を知らせる重要なシグナルでもあるので、健康な肉体を維持するためにも必要です。人間のご先祖もかつてはそのように、ニオイをフル活用していました。

ところが社会が成熟するにつれて、お風呂や下水道などインフラ設備が整備され、デオドラント意識は高まり、それまで当たり前に満ち溢れていた人間の体臭や生活臭は次第に消えていきました。さらに現代では核家族化も進み、個人行動する機会が増え、他人の体臭を異質なもの、不快なものと捉える傾向が強まっていったのです。現代にもいわゆる“ニオイフェチ”的な人は一部存在するものの、総体的には人々のニオイの許容範囲は大幅に狭まりました。

こうしてニオイに対する寛容さが失われていく中、近年、自分のニオイを過剰に気にする人が増えています。


体臭恐怖と自己臭恐怖・自己臭妄想
自分の体のニオイを気にするあまり、他人が不快に感じているのではないかと不安を抱き、人間関係や社会的なまじわりに悩む状態は「体臭恐怖」と呼ばれます。この中には、自分の体臭を正確に自覚している人をはじめ、悩みの程度が軽い人まで、自分のニオイに悩むすべての人が含まれます。

「体臭恐怖」の中には、実際には体から強いニオイが出ていないにも関わらず、自分の体臭のせいで人を不快にしているという恐怖を抱く人もいます。不安のあまり対人関係を避けるほどになった状態を「自己臭恐怖」、関係ない他人の態度やしぐさも自分のニオイが原因だと思い込んでしまう状態は「自己臭妄想」などとも呼ばれます。

「ニオイ」は目に見えないものであるだけに、ひとたび自分のニオイに不安を感じた人はとらえどころのない劣等感にさいなまれ、周囲の人や医療機関などに相談することもできず、マイナスの自己イメージを増幅させていきます。ひとつの劣等感は体や才能、容姿、性格などあらゆるものに波及し、その人の自信を奪っていきます。そしてしばしば自分自身のアイデンティティーの喪失にまで陥り、登校拒否、出社拒否にまで至るケースもあります。

程度の差はあるものの、清潔志向の現代社会にあっては、ごく普通の人であっても、何かのきっかけでそのような悩みを抱きがちなのです。



「自分のニオイを気にしすぎる「自己臭恐怖」が増加中? 専門家が説く心と体のニオイ・マネジメント」より
http://www.mensholos.com/feature/14536.html/2


体臭についての相談(回答内容別)
体臭についての相談(質問内容別)

ストレス臭 体臭が知らせる健康状態 体臭の悩みと職場の人間関係

 近年、「体臭のために職場の人間関係がうまくいかない」と訴えて来院される患者さんが急激に増加しています。
「自分が部屋に入ると同僚が咳き込む」「電車に乗ると、隣の人が鼻をすする」など、人のしぐさや態度が気になり、仕事をやめたり、電車に乗れなくなり家に閉じこもる人もいます。

 正確な統計はありませんが、ここ数年当院に来院される患者数の増加から、職場ではかなりの人が体臭が原因のストレスで悩み、かなりの割合で体臭が休職や離職の原因となっていると考えられます。

 体臭の悩みがなぜ人間関係に影響するのでしょうか?

 人から「クサイ!」と言われることは、例えば、人から「太っている」とか「足が短い」など体の特徴を言われることと決定的な差があります。
 なぜなら「太っている」「足が短い」といったことは、人間の価値のごく一部であって、それを他人にどうこう言われようと本人が気にしなければ無視もでき、不快ならば「見なければいいでしょう」と開き直ることもできます。「足が短いのは運動には不利だけど、仕事で頑張って成績を上げよう」と他のことで努力する力にもなります。

 ところが、人からクサイ!と言われて「嫌なら嗅がなければいいでしょう」と啖呵を切って開き直れる人はまずいません。
 ニオイの性質上、体から出たニオイ分子は空気中を自由に飛んでいって勝手に他人の鼻に入りこんでしまいます。ニオイの元があるかぎり「臭いものに蓋」はできないのです。

 クサイと言われた人が、他人の不快感をなくそうとしたら、自分がその場から立ち去り、いなくなること以外に手立てはないのです。
 クサイと言われたとき、職場から「逃げたい」「消えたい」という気持ちになるのはそのためです。
 体臭の悩みは、自分の人格にかかわる悩みであり、自己否定感から人間関係に消極的になります。体臭で悩む労働者が離職や閉じこもりになりやすいのはそのためです。

 職場での「体臭の悩み」の問題は、人に言えず自分だけで悩んでしまうことです。職場に体臭の悩みのカウンセリングの体制が整っている企業はまずないでしょう。
 さらに、誰にも相談できずに一人で悩んでいると、本当はさほど強いニオイではなくとも、「ニオイで人に避けられている」「嫌われている」と他人との関係で、実際のニオイ以上に悩むことがあります。
 性格的にまじめな人ほど、「自分のニオイで職場の人に迷惑をかけている」と責任を感じて悩む傾向があります。
 そのような人は、自分のニオイを確実に自覚していることは少なく、「周囲の人が咳き込む」「鼻をおさえる」などの他人のささいな態度やしぐさから自分が臭っていると感じているのです。

 これらの動作は、普通ただの風邪や花粉症の時でも生ずる当たり前のことですが、自分の体臭と結びつけて悩んでいるのです。これは医学的には精神疾患で見られる一種の「関係妄想」で、私は「自己臭恐怖」と呼んでいます。

 妄想が強くなると人間関係を避けようとして「対人恐怖」の状態になりやすく、自分一人では解決することが難しくなります。
「対人恐怖」の状態になると、「うつ病」と同じように、正常な業務に支障をきたしますので、専門の精神科的なケアが必要になります。
 ここで、問題となることは、うつ病は周囲も気づきやすく本人も精神科的なケアを自分から受けようとしますが、「自己臭恐怖」の人は、どのような病院のどのような科を受診してよいかわからない点です。

 職場の雰囲気が悩みを打ち明けやすいかどうかも大切でしょう。 
 これからの企業の医療保険関係者は、このような「体臭恐怖」といった新しい心の病の理解もこれからは必要となるでしょう。

季刊「ろうさい」 2013年春号VOL.17


体臭についての相談(回答内容別)
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「他人の仕草や態度」と「自分の体臭」との関係

他人から直接、臭いと指摘されなくても、周りの人のなにげない仕草や態度から、「自分は臭いのでは?」と思い悩んで恐怖症へと発展するケースもあります。


たとえば、AさんとBさんはともに、電車に乗るたび、「隣の人が席を立ち」、「鼻をすすり」、「せき込まれ」たりする経験を持っています。ふたりとも、「他人がそのような態度をとるのは、きっと自分がワキガだからだ」と悩み、当クリニックをたずねてきました。


私はふたりに「試験切開」を行い、自分の皮下にアポクリン腺(ワキガの原因となる汗腺)がないことを本人の目で確かめてもらいました。ふたりともワキガ体質でないと、検査で判明したのです。


ところが、その後もやはり、AさんもBさんも電車に乗ったときに、周りの人に席を立たれたり、鼻をすすられたり、せき込まれたりします。しかし、同じような出来事にあっても、対応が違いました。Aさんには、「自分はワキガではないと判明した」という自信があります。そのため、隣の人が席を立つのは、「たまたまその人が降りる駅だった」、「たまたまその人が風邪をひいていた」と、理解していったのです。他人の態度や仕草は以前と変わらなくても、自分の考えが変わったことで悩みは消えていったといえます。


一方、Bさんは同じような出来事に対し、「ワキガでなければ、きっと違うニオイが体から出ているのだろう」と考えました。相変わらず、他人の立ち振る舞いが気になってしかたがないのです。そんなBさんの悩みの解決法は、自分自身で感じる自分の体臭(=自己臭)が減ること、もうひとつは、物事の受け止め方が変わることしかないでしょう。

体臭の悩みは人間関係から生じる場合がほとんどです。そのため、解決も、「人との間」で行われなければなりません。ひとりで悩んでいないで、心身両面の専門家に相談することをぜひおすすめします。

 
 

五味常明著『気になる口臭・体臭・加齢臭』(旬報社)より


気になる口臭・体臭・加齢臭

タグ:ワキガ 体臭

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人から「臭い」と言われたことがきっかけに

当クリニックに相談に来られた人の話です。

「人から『臭い』と言われて対人恐怖になりました。『ワキガじゃないの?』と、人に避けられたこともあります。前の病院では『単なる多汗です』と言われましたが、ワキガの手術を受けました。しかし、手術をしても、わき以外の他の部分から余計に汗が出てきます。漢方薬を飲んでも効きません」というのです。


この方の問題は、ワキガではないのに「ワキガ手術」を受けたことになります。当然、ワキガでなければ手術をしても解決するはずはありません。むしろ、そのこと自体が心の傷になっているのです。


人から体臭を指摘されれば、たとえそれが親切心からの助言だとしても、誰だって気分が落ち込むし、人と会うのが怖くなってしまうでしょう。しかし、その対応のしかたを間違えると、心の傷は癒えるどころかますます深くなってしまうのです。


【後略】

五味常明著『気になる口臭・体臭・加齢臭』(旬報社)より


気になる口臭・体臭・加齢臭

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「体臭恐怖」という心の病

人の悩みはすべて、他人と比較した際に感じる劣等感から生まれます。要するに、悩みの多くは「対人関係」から起こるといっても過言ではありません。

心理学用語である「対人恐怖」とは、特定の他者ばかりでなく、世間一般の不特定多数者に対しても“人と接するのを恐れる状態”を指します。しかし、「他人が自分に何か危害を与えるのではないか?」という恐怖ではなく、「自分が他人に悪印象を与えているのではないか? 自分は変に見られていないか? 軽蔑されていないか?」という恐怖感にさいなまれているのです。つまり、他人を恐れるというより自分の状態を恐れ、その結果として他人を恐れている症状といえます。


「体臭恐怖」と「自己臭恐怖」は混同されやすいようですが、厳密には意味が異なります。

体臭恐怖の場合、ごく普通の人たちがさまざまな身体のニオイを気に病んでしまうことから、どちらかといえば神経症的なもの、さらには統合失調症の一症状である「妄想」に類するものまでを含む広い意味で使われます。


それに対して、自己臭恐怖は、妄想や思い込みによる体臭の悩みや対人恐怖を意味します。妄想ではなく実際に体臭が強い人がそれについて悩むことは、自己臭恐怖とは呼びません。自己臭恐怖は体臭恐怖のひとつであると考えればわかりやすいでしょう。


【後略】


五味常明著『気になる口臭・体臭・加齢臭』(旬報社)より


気になる口臭・体臭・加齢臭

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