体のニオイの悩みに応える体臭ブログ

わきが多汗症治療に長年携わってきた五味クリニック院長五味常明が、体臭対策、体臭予防をご紹介します。
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体臭をなくすことはできる?

気になるニオイ
体臭をなくすことはできる?

へるすあっぷ21 2009年3月号より



Q 体のニオイが特別気になるわけではありませんが、なくすことができれば悩んだりする必要もないと思っています。体臭をなくすことはできるのですか?


A 体臭をなくすことはできません。ニオイを抑えることを第一に対策を講じましょう。



体臭がなくなるときは、生命活動を停止するときです。すべての動物は生きている限り、代謝の最終産物としてのニオイ=体臭を発します。人間も同様です。ですから体臭はなくなることはありませんし、なくすこともできません。

犬やねずみなどの動物では、自分の体臭を縄張り争いなどの自己主張や繁殖のためのフェロモンとして利用しています。動物にとっての体臭は、自分の存在そのものともいえます。嗅覚は、視覚や聴覚以上に大切な情報伝達法なのです。ところが人間の場合、とくに日本人はその体臭を消したがります。それは、社会の清潔志向と関係があるでしょう。もともと清潔好きで体臭の少ない日本人は、「体のニオイ=不潔」のイメージをもち、忌み嫌う傾向があります。制汗剤や消臭剤などのデオドラント剤が1000億円もの市場であることなどからも、いかに日本人が自分の体臭をなくすことに熱心になっているかがうかがえます。


確かに、自分の体臭で人に不快感を与えるのは避けたいものです。しかし、体臭はお互い様のものですから、消臭志向もあくまでもエチケットの範囲内に収めるべきでしょう。体臭はその人だけの個性です。行きすぎた無臭志向は自己否定でもあり、お互い様の人間関係を否定することにもなります。体臭を気にするあまり、咳き込みやくしゃみなどの人のしぐさや「くさい」などという言葉に対して「自分がにおうからではないか?」と悩んで消極的となり、人づきあいを避ける人が近年増加しています。とくに、まじめで責任感の強い人が「人に迷惑をかけたくない」と考えてしまうのです。「ニオイに悩むのは自分がやさしいからだ」と開き直ることも必要です。


体臭をなくすことはできませんが、本連載で紹介してきたニオイ対策を上手に利用すれば、人に迷惑をかけないように抑えることは可能です。ニオイは「消臭」するものではなく、「収臭」するものなのです。この連載がニオイで悩む人の「自信回復剤」となったら幸いです。

 


 


体臭についての相談(回答内容別)
体臭についての相談(質問内容別)

食べ物によって体臭が変わることはある?

Q.食べ物によって体臭が変わることはある?

A.高たんぱく・高脂肪の食品を食べすぎると、体臭が強くなることがあります。

欧米人は日本人と明らかに体臭が違い、なんとなく酸味を帯びたチーズのようなにおいがすると感じることはありませんか?また、インド人などからはカレーのスパイスのようなにおいがしたり・・・。
逆に彼らに言わせると、日本人はみそやしょうゆなどの発酵食品のにおいがするそう。これは単なるイメージのせい?それとも日ごろ食べているものによって影響されるのでしょうか。


においのもとはすべて食べ物の中に含まれている

皮膚から発散されるにおいの原因となっているのは、皮脂腺や汗腺から出る分泌物。皮脂腺からの分泌物は文字どおり油脂成分ですが、この油脂成分が皮膚表面で分解されてできた脂肪酸がにおいのもととなっています。皮脂腺の分泌物は食事の影響を受けやすく、高脂肪の食品を多く食べると、たくさんの脂肪酸を発生させてしまうことになります。
ちなみに「オヤジ臭」のもとといわれるノネナールも、脂肪酸の仲間です。

一方、汗腺から分泌される汗に多く混じっているにおい成分は、腸内でたんぱく質が分解されるときにできるインド−ル、スカトール、アミンなどと呼ばれています。通常こうしたにおい成分は、便に混じって排出されたり、血液といっしょに肝臓に送られ、肝臓で解毒されて尿として体外に排出されたりしますが、大量に存在していると一度で処理しきれません。もう一度血液に溶け込んで腸に戻され、体内を循環しながら肝臓で再処理されるのを待つのですが、におい成分を含んだ血液が汗となって表皮にあらわれると、体臭を生み出してしまうのです。
こうしたことから、高たんぱく食品も体臭に結びつきやすいと考えられています。

またにんにく、にらなどにおいの強い食材も、やはり体内でにおい成分を発生させますし、香辛料などを多くとると汗を大量にかいたり皮脂を分泌させたりするので、においの原因に。乳製品やチーズなどの発酵食品も、菌や酵素、カビなどがにおい成分を発生させることがわかっています。このように私たちの体臭は、日ごろ食べているものと大きくかかわっているのです。


日本人のわきに異変が?!

気になる体臭といえば、わきのにおいもありますね。これは、わきや耳、乳輪などにあるアポクリン腺という汗腺から出る汗に、におい成分が含まれているため。アポクリン腺の量と断面積の大きさは遺伝的に決まっていて、日本人を含む東洋人のアポクリン腺の量は比較的少なく、体臭も弱いといわれています。

しかし、これも食生活の差によるものが大きく、肉類による動物性脂肪・たんぱく質を多くとっていると、アポクリン腺の働きが活発になると考えられています。
もともとアポクリン腺の直径が小さかったはずの日本人でも、最近では小さいときから肉中心の食生活を続けた人は、アポクリン腺の直径が以前に比べて大きくなっているとか。体臭が気になる人は食生活も気をつけることが大切かもしれませんね。



元気がでるからだの本 2005年夏 より
取材協力/五味常明

体臭についての相談(回答内容別)
体臭についての相談(質問内容別)

亜鉛と体臭の関係(嗅覚障害)

今回は、「亜鉛と体臭」との関係についてお話します。

「亜鉛」も体臭とのかかわりでは、非常に重要なミネラルです。

亜鉛の不足が「味覚異常」と関係があることはご存知かと思います。
今、若い人の間で「食べ物の味がわからない」「何を食べてもおいしくない」「イヤなにおいがする」などの味覚異常が増加しています。
これは、医学的には、舌にある「味雷細胞」が亜鉛の不足で機能が低下することで生じます。

亜鉛は舌だけでなく、鼻粘膜にもたくさん存在するのですが、近年、この亜鉛不足が、味覚障害だけでなく、嗅覚障害も引き起こすことがわかってきました。

わたしは、最近若い人で「自分の体がイヤなにおいがする」と悩んでいる人の中に、かなりの人が「亜鉛不足」による「嗅覚異常」が原因の人がいるのではないかえています。
普通の汗のニオイでも、嗅覚の異常が原因で「不快」と感じた場合にはやはり、「人にも不快感を与えているのではないか」と悩むことはありえるからです。

体臭で悩んでいる人は、一度そのような「可能性」も視野にいれてみる必要もあります。
そのような人では、サプリメントでもありますが、亜鉛は「牡蛎」にたくさん含まれていますので、自然な形で摂取するのがよいでしょう。



体臭についての相談(回答内容別)
体臭についての相談(質問内容別)

老化に伴う「たんぱく質系」のニオイ

人間は、老化よりさまざまなニオイを発生するものですが(「体臭と年齢の関係」参照)、その中でも「腸管から吸収されたニオイ」は、「老化臭」の代表でもあります。

老化を定義することは難しいのですが、体臭増加という観点から見ると、腸内環境つまり「腸内細菌叢」の変化を老化過程と見ることもできます。

みなさん既にご存知のように、腸内にはさまざま細菌(100種類100兆個)が棲みついています。
この細菌叢の構成メンバーが年齢と供に次第に変化していくのです。

例えば、生まれたばかりの赤ちゃんは90%近くが善玉菌と言われるビフィズス菌ですが、成長とともに次第に減少して、老年期では半分以下に減少してしまします。
逆に悪玉菌のウエルシュ菌は、40歳くらいから急激に増加して老年期にはビフィズスを追い越してしまうほど増えます。

これらの細菌叢の変化がなぜ体臭の増加の原因となるかというと、ビフィズス菌を代表とする乳酸菌類は、主に食べ物のうち炭水化物を発酵します。たんぱく質を分解する場合でも、ニオイの少ないアミノ酸に分解して速やかに腸から吸収されるからです。

一方、ウエルシュ菌などの悪玉菌は、主にたんぱく質を腐敗発酵させ、前に説明したアンモニア、インドール、スカトール、アミン類などの「たんぱく質系」のニオイ物質を産生するのです。

これが、老化にともないニオイが増加する理由です。

それでは、このたんぱく質系の老化臭を抑えるのはどうしたらよいか?
それには、主に次の4つの方法があります。

1. 動物性のたんぱく質や脂質の摂取を控えめにする。
2. 乳酸菌類を摂取する。
3. オリゴ糖を摂取する。
4. 食物繊維を摂取する。

具体的には、以下のページを参考にしてください。

たんぱく質系のニオイ対策
オリゴ糖の体臭予防効果




体臭についての相談(回答内容別)
体臭についての相談(質問内容別)

体臭と年齢の関係

体臭は、年齢、特に老化とは非常に密接な関係があります。
まず、人間とは身体の老化とともに、より多くのニオイをだすものだと認識すべきです。

例えば、高齢になり唾液の分泌が低下するにつれ口臭は強くなり、肺の換気能や心臓の酸素供給能が低下するにつれ、汗のアンモニア濃度は増加し、身体に活性酸素や過酸化脂質が増加するにつれ、皮脂腺からの「加齢臭」は増加し、膀胱や腸の排泄能が低下するにつれ、尿や便の失禁のニオイは増加する、といった具合です。

つまり、人間は高齢化するにつれニオイを撒き散らす存在と言ってもよいでしょう。

それが今問題になっているところであり、わたしが今最も関心をもっている研究分野なのです。

その問題とは「介護現場のニオイケア」です。
医学が進歩して平均寿命が延びるということは、一方で自立機能が衰えたお年寄りや寝たきりの高齢者が増加することを意味します。
必然的に「介護」をする人びとの負担を軽減する手立てが必要となります。
介護保険はそのための一つの手段でしょう。

しかし、介護者の負担は決して肉体的なものだけではありません。
心理的、精神的なものもありなす。

なかでも、これまで無視されたり、仕方がないとされてきたのが、「介護臭」の問題です。

「お年寄りのケアは、好きなんだけれど臭いがどうも・・・」
「おじいちゃんを出来るだけ家で見とってあげたいけれど、失禁の臭いが家に染み付くのが・・・」

というようなニオイの悩みをもっている人がたくさんいます。

そこで、今このようなニオイ問題に対して、「臭いものにふた」ではなく、正面から取り組み、高齢者の具体的な「ニオイ介護」の方法や「ニオイケア」の技術を確立する必要があるのです。


参考図書
楽しくなければ介護じゃない
介護・臭いで困っていませんか
40代からの気になる口臭・体臭・加齢臭



体臭についての相談(回答内容別)
体臭についての相談(質問内容別)

ストレスと体臭

ストレスは身体のニオイを強くする大きな要因の一つです。 特に、「皮脂腺」からのニオイ物質の産生を非常に増加させます。

ストレスを受けますと私達の身体は副腎というところから副腎皮質ホルモンや男性ホルモン、アドレナリンといったホルモンを大量に放出さますが、これらのホルモンは皮脂腺の皮脂の分泌をさかんにします。

またこれらのホルモンは皮膚の角質層の新陳代謝をもさかんにし、角質も肥厚させ皮脂腺の導管を閉塞させてしまいます。そうなるとさかんに分泌される皮脂が皮脂腺になかでたまり、活性酸素が発生しやすい状態になります。

活性酸素は脂質を酸化させ過酸化脂質をつくります。この過酸化皮質も脂質を酸化し、さらに活性酸素をつくりさらに過酸化脂質が増加するという悪循環になります。これは、自動酸化といい、実はニオイの原因物質である短鎖の脂肪酸などがもっとも増加する原因となります。

体臭対策としてはストレスはもっとも避けなければならない要因の一つなのです。

体臭を気にしている人は、そのこと自体が対人関係の中でストレスになることも多いのです。


体臭についての相談(回答内容別)
体臭についての相談(質問内容別)

ニオイはどうして発生するの?

Q. 汗のニオイや口のニオイなど、体から発生するニオイは何かと気になるものです。そもそも、ニオイはなぜ発生するのでしょうか?

A. ニオイは生きている証。人間の体からは絶えずニオイが発生しています。

 人間は生きている限り、息を吐きます。汗もかきます。尿も便もします。これらはすべてにおいます。頭の先からつま先まで、人間の体からは絶えずニオイが発生します。でも、お骨になったらにおいませんね。それは、ニオイが生きている証だからです。また、ある人のニオイはその人だけのものです。たとえ親兄弟でも同じニオイの人はいません。体のニオイは個性そのものなのです。

 本来、親しい人や愛する人の体臭はお互いに不快とは感じません。むしろ安らぎや安心感を与えるものです。緊密な関係の人とは、お互いの体臭は「お互い様」として共有できます。ところが、現代人は体臭を「臭いもの」「嫌いなもの」として排除する傾向があります。これは人間関係が希薄になったことや社会の清潔志向が強くなったことも関係しているでしょう。今や、「ニオイ=不潔」という図式で体臭は嫌われものとなってしまったようです。しかし、生の証しであり個性でもある体臭をことさら否定することは、自分の存在を否定することにもなります。行きすぎた無臭指向は自己否定につながることを忘れてはなりません。

 それでも、です。臭いニオイは嫌です。できれば人にも不快感を与えたくないですし、お互いにニオイエチケットにも気をつけたいものです。

 病気や体の不調が原因で発生するニオイもあります。体から出るニオイは、体内の代謝の最終産物であり、ニオイが病気のサインとして健康のバロメーターにもなります。たとえば、糖尿病になると甘酸っぱい口臭や体臭を放つようになります。加齢臭が強い場合には生活習慣病のサインのこともあります。子宮がんがおりもののニオイの変化で発見されることもあります。

 この連載では、体臭は誰にでもある生活臭だということを念頭においたうえで、快適で健康的な生活を送るためのニオイ対策や予防法など、誰もが気になるニオイにまつわる話題を取り上げ解説していきます。



へるすあっぷ21 2009年4月号





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